価格反論対応集
千葉経済産業新聞の営業活動で頻出する価格関連の反論・懸念に対する切り返しスクリプト集。 営業担当者向け。
最終更新: 2025年11月
📋 目次
反論対応の基本原則
原則1: まず傾聴
反論に対して即座に反論しない。まず顧客の懸念を傾聴する。
NGパターン:
- 顧客: 「高いですね」
- 営業: 「いや、高くないです! ROIは...」(即反論)
OKパターン:
- 顧客: 「高いですね」
- 営業: 「そうですか。どのあたりが高いと感じられますか?」(傾聴・深掘り)
原則2: 共感を示す
顧客の懸念に共感を示してから、切り返す。
例:
- 「おっしゃる通り、月5.5万円という金額は大きいですよね」(共感)
- 「ただ、年間で考えると投資対効果は3倍になります」(切り返し)
原則3: 数字で語る
感覚的な説明ではなく、具体的な数字で価値を示す。
NGパターン:
- 「効果はあります」(曖昧)
OKパターン:
- 「採用応募が月2名増えれば、採用コスト年40万円削減できます」(具体的)
原則4: 質問で引き出す
一方的に説明せず、質問で顧客自身に気づかせる。
例:
- 営業: 「現在、採用に年間いくら使っていますか?」
- 顧客: 「年間100万円くらいですね」
- 営業: 「当紙で採用応募が増えれば、その半分で済むかもしれません」
価格関連の反論
反論1: 「高いですね」
パターンA: 予算が本当にない
切り返し:
営業: 「そうですか。年間予算はどれくらいを想定されていますか?」
顧客: 「年間40万円くらいです」
営業: 「でしたら、ライトプラン(月3.3万円、年39.6万円)がぴったりです。
まずはライトプランで効果を実感していただき、
予算が確保できたタイミングでスタンダードプランにアップグレードする
企業様も多いですよ」ポイント:
- プラン変更を提案
- 段階的な導入を提案
- 無理に高いプランを売らない
パターンB: 価値が見えていない
切り返し:
営業: 「高いと感じられるのは、効果がイメージできないからだと思います。
ROIで考えると、実は投資の3倍のリターンがあります」
(ROI計算シートを提示)
営業: 「御社の場合、年間投資66万円に対し、
採用コスト削減40万円 + 新規問い合わせ100万円 + 営業資料活用20万円
= 合計160万円の効果が見込まれます。
つまり、実質的には『安い』投資なんです」ポイント:
- ROI計算を具体的に提示
- 「高い」を「安い」に転換
- 数字で納得させる
パターンC: 他社と比較している
切り返し:
営業: 「他社と比較されているんですね。どちらの媒体でしょうか?」
顧客: 「地域情報誌のA社です。月4万円だそうです」
営業: 「なるほど。A社は『広告』として掲載されますが、
当紙は『記事』として掲載されます。
信頼性が全く異なります。
広告だと『自分で言っている』ですが、
記事だと『第三者が評価している』という違いです。
採用や営業では、この信頼性の違いが大きく影響します。
月1.5万円の差額は、この『信頼性』への投資だと考えてください」ポイント:
- 競合との差別化を明確に
- 「広告 vs. 記事」の違いを強調
- 差額の理由を説明
反論2: 「予算がありません」
パターンA: 本当に予算がない
切り返し:
営業: 「そうですか。では、来期の予算化を検討していただけませんか?
今期は購読プラン(月1.1万円、情報収集のみ)でスタートして、
来期から協賛プランに切り替える、という方法もあります」ポイント:
- 無理に売らない
- 購読プランで関係構築
- 来期へのつなぎ
パターンB: 予算はあるが優先度が低い
切り返し:
営業: 「今年の経営課題は何ですか?」
顧客: 「採用強化です。応募が全然来なくて...」
営業: 「でしたら、まさに当紙が解決策です。
採用応募を増やすには、『働きたい会社』として認知される必要があります。
当紙の記事掲載で、600社の中小企業経営者に
御社の魅力が伝わり、その経営者のつながりから採用応募が増えます。
採用が最優先課題なら、広報予算を確保する価値は十分あるはずです」ポイント:
- 課題と解決策をリンク
- 優先度を上げる
- 経営課題に紐付ける
反論3: 「年間一括払いは厳しい」
切り返し:
営業: 「承知しました。年間一括払いだと10%割引になりますが、
月次払いでも問題ありません。
スタンダードプランなら月額5.5万円です。
まずは月次払いでスタートして、キャッシュフローが安定したタイミングで
年間一括払いに切り替えることも可能です」ポイント:
- 柔軟に対応
- 月次払いでもOKと明示
- 後で切り替え可能と伝える
効果・ROI関連の反論
反論4: 「効果があるか分からない」
パターンA: 懐疑的
切り返し:
営業: 「おっしゃる通り、やってみないと分からない部分はあります。
ただ、他の導入企業様では以下のような効果が出ています」
(導入事例を提示)
営業: 「製造業のB社様は、記事掲載後に採用応募が月3名から5名に増加しました。
また、記事をきっかけに新規取引が2件成立しました。
もちろん100%保証はできませんが、
ROI 2〜3倍は十分に狙える水準です。
まずはライトプラン(年40万円)で試して、
効果が出たらスタンダードプランにアップグレードしませんか?」ポイント:
- 事例で信頼性を示す
- 小さく始めることを提案
- リスクを最小化
パターンB: 測定方法が不明
切り返し:
営業: 「効果測定は以下の方法で行えます:
1. 採用応募数の変化
- 記事掲載前後での応募数を比較
- 応募者に『どこで知りましたか?』と質問
2. 新規問い合わせ数
- 記事掲載後の問い合わせ数を記録
- 問い合わせ経路を確認
3. Web流入数
- Web記事のアクセス数を確認
- そこから自社サイトへの流入数を測定
効果測定の方法もサポートしますので、ご安心ください」ポイント:
- 具体的な測定方法を提示
- サポート体制を強調
- 不安を解消
反論5: 「すぐに効果が出るか分からない」
切り返し:
営業: 「おっしゃる通り、広報は即効性のあるものではありません。
ただ、以下のような即効性のある効果もあります:
【短期的効果(1〜3ヶ月)】
- 記事を営業資料に活用 → 信頼性向上
- 記事をSNSでシェア → 認知度向上
- 記事を採用サイトに掲載 → 応募増加
【中長期的効果(6ヶ月〜)】
- 地域での認知度向上
- ブランドイメージ確立
- 継続的な問い合わせ増加
短期的な効果も出ますが、本当の価値は中長期的な
『地域でのブランド確立』です。
1年間継続して、効果を実感してください」ポイント:
- 短期・中長期の両方を説明
- 即効性のある効果を強調
- 継続の重要性を伝える
競合比較の反論
反論6: 「他社の方が安い」
切り返し:
営業: 「価格だけで比較すると、確かに安い媒体もあります。
ただ、『価格』と『価値』は別物です。
【価格比較】
地域情報誌A社: 月4万円(広告として掲載)
千葉経済産業新聞: 月5.5万円(記事として掲載)
差額: 月1.5万円
【価値比較】
A社: 広告(信頼性△)、一般消費者向け、Web掲載なし
当紙: 記事(信頼性◎)、中小企業経営者向け、Web掲載あり
この月1.5万円の差額は、『信頼性』と『ターゲティング精度』への投資です。
採用や営業で使うなら、『信頼性』が命です。
安さだけで選ぶと、効果が出ず、結果的に高くつきます」ポイント:
- 価格と価値を分けて説明
- 差額の理由を明確化
- 「安物買いの銭失い」を示唆
反論7: 「他社は取材回数が多い」
切り返し:
営業: 「取材回数が多ければいい、というわけではありません。
重要なのは『質』です。
他社: 年12回取材(月1回)
当紙: 年3回取材(スタンダードプラン)
一見、他社の方が多く見えますが、
当紙は1回あたりの取材時間が60〜90分と長く、
深い内容の記事を作成します。
他社は短時間取材で表面的な内容になりがちです。
『量より質』で選んでください」ポイント:
- 量より質を強調
- 取材の深さを訴求
- 差別化ポイントを明確に
タイミング・優先度の反論
反論8: 「今は忙しいので、後で検討します」
切り返し:
営業: 「お忙しいのは承知しています。
ただ、『忙しい』=『成長している』証拠ですよね。
成長しているタイミングこそ、広報が重要です。
なぜなら、成長のニュース(設備投資、新規事業、採用拡大)を
タイムリーに発信することで、さらに成長が加速するからです。
今月の取材を逃すと、次は3ヶ月後になってしまいます。
成長の勢いがあるうちに、発信しませんか?」ポイント:
- 「忙しい」をポジティブに転換
- 今こそ発信すべき理由を示す
- 機会損失を示唆
反論9: 「来期から検討します」
切り返し:
営業: 「来期からの検討、承知しました。
ただ、今なら創刊記念キャンペーンで
初月無料 + 初期費用無料です(2026年6月まで)。
今契約すれば、実質1ヶ月分(5.5万円)お得になります。
来期まで待つと、このキャンペーンは終わっていますので、
逆に損してしまいます。
まずは今期中にスタートして、来期の予算で継続する
という方法もありますよ」ポイント:
- キャンペーンの時限性を訴求
- 今契約するメリットを明示
- 先延ばしのデメリットを示す
反論10: 「他の広報施策を優先したい」
切り返し:
営業: 「他の広報施策とは、具体的にどのようなものでしょうか?」
顧客: 「ホームページのリニューアルです」
営業: 「素晴らしいですね! ホームページは重要です。
ただ、ホームページだけでは『見つけてもらう』のが難しいですよね。
当紙の記事をホームページに掲載すれば、
『見つけてもらう』+『信頼してもらう』の両方が実現できます。
つまり、ホームページと当紙は競合ではなく、相乗効果があります。
両方やることで、効果が倍増します」ポイント:
- 他施策を否定しない
- 相乗効果を訴求
- 「両方やる」を提案
難易度別対応マトリクス
反論の難易度と対応策をマトリクスで整理。
レベル1: 易しい反論(即座に対応可能)
| 反論 | 対応策 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 「高いですね」 | ROI計算提示 | 5分 |
| 「年間一括は厳しい」 | 月次払いOKと伝える | 1分 |
| 「効果測定できる?」 | 測定方法を説明 | 3分 |
対応レベル: 営業担当者単独で対応可能
レベル2: 中程度の反論(準備が必要)
| 反論 | 対応策 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 「他社の方が安い」 | 価値比較表を提示 | 10分 |
| 「効果あるか分からない」 | 導入事例を提示 | 15分 |
| 「予算がない」 | プラン変更 or 来期予算化提案 | 10分 |
対応レベル: 営業担当者 + 資料準備が必要
レベル3: 難しい反論(上司同行が推奨)
| 反論 | 対応策 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 「費用対効果が見えない」 | カスタムROI試算 + 事例詳細説明 | 30分 |
| 「社内稟議が通らない」 | 稟議用資料作成 + 上司同行 | 60分 |
| 「他媒体で十分」 | 差別化を深掘り + デモ提案 | 45分 |
対応レベル: 営業責任者 or 編集長の同行が推奨
ケーススタディ
実際の営業シーンを想定したロールプレイ。
ケース1: 製造業A社(予算不足)
シーン:
顧客: 「採用強化したいんですが、広報予算が年30万円しかなくて...」
営業: 「年30万円ですか。でしたら、ライトプラン(月2.8万円、年33.6万円)は
予算オーバーですね。
では、こうしませんか?
今年は購読プラン(月1.1万円、年13.2万円)で地域情報を収集しながら、
来年度の予算で協賛プランに切り替える。
または、年間一括払いなら10%割引で、
ライトプランが年35.6万円 → 32万円になります。
5万円だけ追加予算を確保できませんか?」
顧客: 「5万円なら何とか... 年間一括払いで検討します」ポイント:
- 予算制約を受け入れる
- 代替案を複数提示
- 年間一括払い割引を活用
ケース2: サービス業B社(効果懐疑)
シーン:
顧客: 「記事掲載して本当に効果あるんですか? やってみないと分からないですよね?」
営業: 「おっしゃる通りです。100%保証はできません。
ただ、同業のC社様(サービス業、従業員30名)では、
記事掲載後に以下の効果がありました:
- 採用応募: 月2名 → 月4名(2倍)
- 新規問い合わせ: 年6件
- 記事をきっかけにした商談: 年3件成約
もちろんC社様と御社では状況が異なりますが、
同じような効果が期待できます。
リスクを最小化するため、まずはライトプラン(年40万円)で
1年間試してみませんか?
効果が出たらスタンダードプランにアップグレード、
効果が出なければ1年で解約。これなら低リスクです」
顧客: 「それなら試してみようかな」ポイント:
- 懐疑を否定しない
- 事例で信頼性を示す
- 小さく始めることを提案
よくある質問
Q1: 反論に答えられなかったらどうする?
A: 正直に「確認して後ほど回答します」と伝えてください。 無理に答えようとして間違った情報を伝えるより、 正確な回答を後日提供する方が信頼されます。
Q2: 何度も値引き要求されたら?
A: 以下の順序で対応:
- 公式割引制度を案内(2回目)
- プラン変更を提案(3回目)
- それでも難しい場合、「この価格が限界です」と明示
- 無理に契約を取らない(価格だけで選ぶ顧客は後で解約しやすい)
Q3: 競合他社を悪く言ってもいい?
A: 絶対にダメです。競合を否定するのではなく、 自社の強みを訴求してください。
NGパターン:
- 「A社の記事は質が低いです」
OKパターン:
- 「当紙は取材時間60分と長く、深い内容を提供しています」
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最終更新: 2025年11月 次回見直し: 四半期ごと(営業フィードバックに基づく更新)
